照井りょう(てるいりょう)千葉県松戸市

【国政コラム】【深掘り】永住許可の要件厳格化。入管がガイドラインを変更する本当の意図とは?

皆様、こんにちは。完全無所属、闘う行政書士の照井りょうです。

日々、入管業務の最前線で実務にあたっていると、国の政策の「潮目の変化」を肌で感じることがあります。以前私のブログ(【国政コラム】永住許可の審査基準厳格化について(概要))でも触れましたが、現在、そしてこれから先、外国人の方に対する永住許可のハードルはかつてないほど厳格化していく見込みです。
特に注視すべきは、「年収要件」と「年金(特に厚生年金)の納付要件」に対する審査です。
では、なぜ出入国在留管理庁(入管)は、ここまで急激にガイドラインを厳格化し、永住への門戸を狭めようとしているのでしょうか?
個人的には、単なる「ルールの厳格適用」や「治安維持」といった建前だけでは、この動きは説明しきれないように感じます。
実務家としての視点、そして地域社会の未来を考える視点から、その意図を読み解いてまいります。

表向きの理由:公的義務の履行と「公平性」
現在、永住許可の審査において、税金や年金、健康保険の未納・遅延は「一発不許可」の対象となるほど厳しく見られています。また、将来にわたって日本で安定して生活できるだけの年収があるかどうかも厳格に審査されます。

表向きの理由は明確です。
「日本国民と同様に、社会的義務(納税や年金納付)を果たす者のみに永住を認める」という公平性の担保です。
ルールを守らない人に特権である永住権は与えられない。これは法治国家として当然の対応と言えます。
しかし、私が実務を通じて感じるのは、国がさらにその先のリスクを見据え、先手を打とうとしているということです。

入管の真の意図:「将来の財政負担リスク」の排除?
結論から申し上げます。
入管が永住ガイドラインを厳格化する最大の意図は、「永住権を取得した外国人が、将来的に生活保護を受給することを未然に抑制するため」であると推測できます。
現在の日本の法制度・運用上、外国人に対する生活保護は「権利」としては認められていませんが、「永住者」などの特定の在留資格を持つ外国人に対しては、人道的観点から日本人への適用に準じて生活保護が支給(準用)されています。(これはこれで制度へのタダ乗りであり、従前からその問題点を指摘してきました。)
ここに、国や自治体が抱える大きなジレンマがあります。

なぜ「年収」と「年金」が狙い撃ちされるのか?

例えば、若いうちは低賃金で働き、税金や年金を十分に納めてこなかった外国人が、そのまま永住権を取得したとします。
彼らが高齢になり、働くことができなくなった時、何が起こるでしょうか?
無年金、あるいは極端に低い年金しか受け取れないため、生活困窮に陥り、最終的に生活保護に頼らざるを得なくなる可能性が極めて高いのです。

1. 年収要件の厳格化:自立して生活し、将来に向けた貯蓄ができるだけの「稼ぐ力」があるかを見極めるため。
2. 年金要件の厳格化:高齢になった際、日本の社会保障システム(生活保護)にフリーライド(タダ乗り)せず、自身の年金で生活できる基盤を作らせるため。

つまり、入管の審査基準の厳格化は、将来、国や地方自治体(松戸市など)の財政を圧迫する生活保護予備軍に、永住権を付与しないための強固な防波堤として機能しているのです。

感情論ではなく、持続可能なルールを
私は、外国人の排斥を主張しているわけでは決してありません。(政治はバランス感覚。自治体の外国人政策も管理の支援の両輪で進めるべきだと考えます。)
日本経済、そして私たちの地元・松戸市の発展において、真面目に働き、ルールを守る外国人の方々は間違いなく重要なパートナーです。

しかし、社会保障制度が限界を迎えつつある現在の日本において、「将来の財政リスク(生活保護費の増大)を無視して永住権を乱発する」ことは、現在の納税者、そして未来の子供たちに対する無責任に他なりません。

ガイドラインの厳格化は、一見すると冷酷に見えるかもしれません。
しかしこれは、日本の社会保障制度を持続可能にし、真面目にルールを守って社会に貢献する日本人と外国人が、共に納得して共生していくための処方箋ではないでしょうか。
闘う行政書士として、私はこの厳格化の方向性を、地域社会を守るための現実的かつ妥当な判断であると評価•歓迎しています。
同時に、ルールを守ろうと努力する企業や外国人の方々には、実務家として適正なサポートを全力で提供していく所存です。
感情論に流されず、法と現実に基づいた「攻め」と「守り」のバランス。
松戸市の未来を守るため、私はこれからも現実的な視点で発言と行動を続けてまいります。

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