照井りょう(てるいりょう)千葉県松戸市

【市政コラム】千葉県は自動車ヤード全国最多790か所。松戸市内には何か所あるでしょう?

こんにちは。闘う行政書士の照井りょうです。

先日、柏市の方からご相談をいただきました。

「近所に、鉄板で囲まれた自動車の解体場のような施設が増えている。夜中に作業音がする。犯罪の温床になっているのではないか。」
いわゆる「自動車ヤード」の問題です。行政書士として許認可の実務に携わってきた立場から調べましたので、共有します。

千葉県内のヤードは全国最多の約790か所

千葉県警察によれば、県内には約790か所(令和7年9月末)の自動車ヤードがあり、全国最多です。

ヤードとは、県警の定義では「周囲を鉄壁等で囲まれた作業場等であって、海外への輸出等を目的として、業として自動車の保管・解体、コンテナ詰め等の作業のために使用していると認められる施設」を指します。

そのうえで県警は、一部のヤードについて、盗難自動車の保管・解体、不正輸出の拠点、不法滞在外国人等の稼働・い集場所として利用されている実態がみられる、と明記しています。私の推測ではなく、県警自身が公表している認識です。

条例はある。しかし数は増え続けている

千葉県は平成27年からヤード適正化条例を施行し、設置者に届出を義務づけています。
しかし届出数は令和5年度346か所、令和6年度386か所、令和7年度420か所と、3年で74か所増えました。立入検査も令和7年度は512か所・538回に達しています。
条例は実態の可視化には効いていますが、ヤードそのものは減っていないのが現状です。

松戸市内には何か所あるのか——公表されていません

私は、松戸市内のヤード数を調べました。県の資料、県警の公表資料、市の公開情報を全て確認しましたが、分かりませんでした。

千葉県は県全体の総数は公表していますが、市町村別の内訳を公表していません。
松戸市も公表していません。つまり松戸市民は、自分の市に何か所あるのか、そのうち何か所が届出済みなのかを知る手段がないのです。

なぜヤードは生まれるのか——制度の隙間

行政書士として申し上げると、ここには明確な制度上の隙間があります。

市街化調整区域の「青空資材置場」には、原則として開発許可が要りません。 建築物を建てない限り、開発許可は不要。農地でも、農地転用許可さえ通れば資材置場として使えます。
そして「防犯のための仮囲い」は通常の事業活動として認められます。

市街化調整区域の農地を借りる
農地転用許可を取る(資材置場として)
周囲を鉄板で囲う(防犯対策として)
建築物は建てない

ここまで、すべて合法に完結します。

そのうえで中に何を置き何をするかは、外から見えません。
適法な事業者と不法ヤードは、外形上まったく区別がつかないのです。
土地が安く、東京に近く、港へのアクセスが良い。そこに制度の隙間がある。
これが千葉県が全国最多を抱える構造的な理由です。

松戸市も無関係ではありません

令和5年中、千葉県の自動車盗難は746件で全国最多、松戸市は県内ワースト2位の46件でした。

その後、県全体では令和7年に539件(前年比マイナス167件)と全国5位まで下がっています。県警の対策が効果を上げていることは公平に評価すべきです。

しかし全国では令和4年以降4年連続で増加しており、松戸警察署管内でも令和6年中に30件を超える自動車盗難が発生、今年も緑ケ丘周辺でナンバープレート盗難の注意喚起が出ています。

「県の条例だから市は関係ない」という思い込み

ヤード条例は県の条例で、届出先は県です。制度上、市に直接の権限はありません。
しかし私は、これを思い込みだと考えます。市にしかできないことがあります。

第一に、把握すること。 農地転用、開発相談、固定資産税——ヤードになり得る土地の動きは、市の窓口を通っています。

第二に、公表すること。 市内に何か所あり、何か所が届出済みか。市が県に照会して市民に公表することは、権限の有無に関係なくできます。

第三に、通報窓口を作ること。 県のヤード・残土対策課の番号を知っている市民が、どれだけいるでしょうか。市で受けて県と警察に繋ぐ。それだけで通報のハードルは下がります。

誤解されたくないこと

私は行政書士として、外国人の在留資格申請を専門にしてきました。真面目に働き、税金を納め、地域で暮らす方を数多く支援してきました。

だからこそ申し上げますが、不法ヤードで最も迷惑を被っているのは、適法に働いている外国人と、適法な事業者です。
一部の違法業者のせいで、真面目な人が疑いの目で見られる。

問題は、外国人であるかどうかではありません。違法であるかどうかです。
そして、違法かどうかを外から確かめられない状態を放置していることが、問題の本質です。
法治国家とは、ルールを守っている人が損をしない仕組みのことだと考えています。

まず、数を明らかにすることから

数が分からなければ、多いのか少ないのか、増えているのか減っているのかも判断できません。対策の必要性を議論することすら、できないのです。

情報公開請求は、行政書士の日常業務です。制度を使って事実を明らかにする。そこから始めたいと思います。

ヤードに関してお気づきのことがありましたら、公式LINEからお聞かせください。皆様の声が、調査の出発点になります。

参考資料
千葉県警察「自動車ヤード総合対策」 https://www.police.pref.chiba.jp/kokusoka/safe-life_coop-yard.html
千葉県「自動車ヤード条例に基づく届出及び立入検査の状況」(令和8年8月10日更新) https://www.pref.chiba.lg.jp/yard/caryard/todokedetachiiri.html
千葉県警察「自動車盗発生分析」 https://www.police.pref.chiba.jp/seisoka/safe-life_publicspace-vehicle_car_theft_00001.html
一般社団法人自動車盗難防止協会「令和7年の自動車盗難の発生状況」 https://stop-tounan.jp/column/467/

※通報・お問い合わせ:千葉県環境生活部ヤード・残土対策課 自動車ヤード対策班 043-223-4658

▼令和8年8月千葉豪雨で被災された方への支援情報 更新日(2026年9月3日)
href=”https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/anzen_anshin/saigai/hisai.html”>https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/anzen_anshin/saigai/hisai.html

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