照井りょう(てるいりょう)千葉県松戸市

【2026年版】松戸市の空き家問題|相続した実家、放置する前に知っておきたい4つのこと

こんにちは。闘う行政書士の照井りょうです。
行政書士として、まれに空き家の処分について相談を受けることがあります。
相談内容によっては司法書士や税理士の先生を紹介して終わりとなることもあるのですが、実家の家を相続すると起こりうることをまとめてみました。

「親が施設に入って、実家が空き家のまま」
「相続したけれど、住む予定も売る予定もない」

松戸市でそんな悩みを抱えている方は、決して少なくありません。
市内の空き家率は14.0%(令和5年住宅・土地統計調査)で、全国平均の13.8%、千葉県平均の12.3%をいずれも上回っています。総住宅数26万6,840戸のうち、空き家は3万7,370戸にのぼります。

松戸市は常磐線・新京成線(京成松戸線)・武蔵野線で都心に通える住宅地として発展してきた街です。その分、世代交代によって空き家になる戸建ても増えています。

この記事では、相続した実家をどうするか迷っている方に向けて、松戸市で使える制度と判断のポイントを整理しました。

■ 1. 「とりあえず放置」が一番危ない理由

まず知っておきたいのが、空き家を放置すると税金が重くなる可能性があることです。

住宅が建っている土地は、固定資産税の課税標準が軽減される「住宅用地特例」の対象になっています。
ところが、特定空家等や管理不全空家等に指定されて市から勧告を受け、それでも改善しない場合、この特例が外れてしまいます。
その結果、土地の固定資産税が最大で約6倍になることがあります。

「更地にすると税金が上がるから、建物は残しておいたほうが得」というのは以前からよく言われる話ですが、管理を怠れば結局同じ負担がのしかかる仕組みになった、と理解しておくとよいでしょう。

あわせて注意したいのが、2024年4月から始まった相続登記の義務化です。
不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料の対象になります。
「名義は親のまま」という実家をお持ちの方は、まずここから確認してください。

■ 2. 解体費用の補助金は「年1回・15戸程度」の狭き門

松戸市には「老朽空家等除却費用補助金」という解体費の補助制度があります。
老朽化などで倒壊のおそれがある危険な空き家の除却を促進し、地域の生活環境を守ることが目的です。

対象となる空き家
昭和56年5月31日以前に建築され、おおむね1年以上使われていない建築物。

補助額
補助対象経費の3分の1以内、上限60万円(1,000円未満は切り捨て)。

予定件数
15戸程度。予算の範囲内での交付です。

主な要件
所有者が複数いる場合は全員の同意が必要、市税を滞納していないこと、他の補助金を受けていないことなど。

そして、ここが最大の注意点です。
令和8年度の事前調査申請の受付は、5月18日から7月17日までで、すでに終了しています。
この制度は年度ごとに募集期間が決まっているため、タイミングを逃すとその年度は申請できません。

また、交付決定の前に工事に着手すると対象外になります。
「先に解体してから申請」は通用しないので、解体を考えている方は来年度の受付開始前から準備を始めるのが現実的です。

問い合わせ先は、街づくり部 住宅政策課 空家活用推進室(電話047-366-7366)です。

■ 3. 売る場合に効く「3,000万円特別控除」と市の証明書

相続した実家を売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(いわゆる空き家の3,000万円特別控除)があります。

この特例を使うには「被相続人居住用家屋等確認書」という書類が必要で、松戸市でも発行を受け付けています。手続きに時間がかかることもあるので、売却スケジュールに余裕を持たせておくと安心です。

要件は細かく、適用の可否は個別の事情によって変わります。判断に迷う場合は税理士や税務署に確認することをおすすめします。

■ 4. 松戸市の相談先マップ

「何から手をつければいいかわからない」という段階でも、相談できる窓口があります。松戸市の空き家関連ページでは、次のような支援が案内されています。

相続・成年後見等の相談:司法書士会との協定に基づく相談
空き家等の有効活用等に関する相談:民間事業者との協定による相談
空家等管理活用支援法人:市が指定した法人による支援
マイホーム借上げ制度:移住・住みかえ支援機構(JTI)の仕組みを使い、住まなくなった家を賃貸に出す選択肢
リーフレット:「空き家に関するリーフレット」「住まいの終活に関するリーフレット」

なお、地方でよく見る「空き家バンク」は、松戸市では設けられていません。
市場での流通が比較的期待できる都市部という事情もあり、民間事業者や専門家団体との連携を中心に対策が組み立てられています。

市の空き家対策の方向性は「松戸市空家等対策計画」(令和4年度から令和13年度までの10年間)にまとめられており、発生抑制・適正管理・利活用・管理不全空家の解消・跡地活用・推進体制という柱で整理されています。

■ 実家をどうするか、判断の順番

迷ったときは、この順番で考えると整理しやすくなります。

名義を確認する:相続登記は済んでいるか。未了なら3年の期限に注意
状態を確認する:昭和56年5月以前の建物か、傷み具合はどうか
方針を決める:住む/貸す/売る/解体する
制度に当てはめる:解体なら補助金の募集時期、売却なら3,000万円控除の要件

特に相続人が複数いる場合、解体の補助金も売却も全員の合意が前提になります。
「そのうち話し合おう」と先送りするほど、関係者が増えて手続きが難しくなるのが空き家問題の怖いところです。
年末年始やお盆に家族が集まるタイミングは、実は絶好の話し合いの機会でもあります。

■ まとめ

松戸市の空き家率は14.0%で全国平均を上回る
放置して勧告を受けると、土地の固定資産税が最大約6倍になることも
解体費補助は上限60万円・年15戸程度、受付は年1回。令和8年度分は終了済み
売却時は「3,000万円特別控除」と市発行の確認書をチェック
相続登記は2024年4月から義務化。3年以内に手続きを

空き家は「気づいたときには選択肢が減っている」問題です。まだ選べるうちに、家族で話をしておきましょう。

(出典:松戸市公式サイト「松戸市老朽空家等除却費用補助金について」「空き家に関すること」「松戸市空家等対策計画」、総務省「令和5年住宅・土地統計調査」ほか。情報は2026年9月時点。制度の詳細は必ず市の窓口でご確認ください)

▼令和8年8月千葉豪雨で被災された方への支援情報 更新日(2026年9月15日)
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/anzen_anshin/saigai/hisai.html

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