照井りょう(てるいりょう)千葉県松戸市

【市政コラム】【図解】松戸市の予算を3分で理解する|1,945億円は何に使われている?

「市の予算って、結局どこに使われているの?」

市政の話でいちばん大事なのに、いちばん分かりにくいのがお金の話です。この記事では、松戸市の令和8年度(2026年度)当初予算を、3分で読めるように整理しました。数字はすべて市の公表資料に基づいています。

まず全体像:総額3,896億円、一般会計1,945億円

松戸市の令和8年度予算は、全会計を合わせた総額が3,896億7,488万8千円で、前年度比115億3,793万円・3.1%増。これは過去最大です。

このうち、市の基本的な活動に使う一般会計は1,945億1,000万円で、前年度比4億7,000万円・0.2%の減。過去最大だった令和7年度に次ぐ、過去2番目の規模です。

今年度の予算には「暮らし応援×未来投資予算」という名前がついています。松戸隆政市長にとって就任後初めての予算編成で、(1)物価高騰対策をベースに、(2)未来への投資と(3)財政改革の両立を基本姿勢に据えた、と説明されています。

お金はどこから来て、どこへ行くのか

令和8年度 松戸市一般会計 1,945億1,000万円
歳入(お金の入り)
市税792.4億円・40.7%
国・県支出金608.5億円・31.3%
地方交付税125.0億円・6.4%
地方消費税交付金120.0億円・6.2%
市債(借金)96.6億円・5.0%
繰入金・その他202.6億円・10.4%
歳出(お金の使いみち)
民生費(福祉・子育て)1,012.9億円・52.1%
教育費197.1億円・10.1%
総務費164.9億円・8.5%
公債費(借金返済)161.0億円・8.3%
土木費156.1億円・8.0%
衛生費154.9億円・8.0%
その他98.2億円・5.0%

出典:松戸市「令和8年度松戸市当初予算案」(定例記者会見資料)をもとに作成

歳入(入ってくるお金)のトップは市税で792.4億円、全体の40.7%。4年連続で過去最大を更新しました。次いで国・県支出金が608.5億円で31.3%。この2つで7割を占めます。借金にあたる市債は96.6億円(5.0%)です。

つまり、市の収入の約4割は市民や企業が納める税金、3割は国や県からのお金、ということになります。

歳入の内訳(令和8年度 一般会計)
区分 金額 割合
市税 792.4億円 40.7%
国・県支出金 608.5億円 31.3%
地方交付税 125.0億円 6.4%
地方消費税交付金 120.0億円 6.2%
市債(借金) 96.6億円 5.0%
繰入金 47.5億円 2.4%
使用料及び手数料 29.8億円 1.5%
その他 125.3億円 6.5%

歳出(出ていくお金)で圧倒的に大きいのが民生費の1,012.9億円、全体の52.1%。これも過去最大です。民生費とは、保育所の運営などの子育て支援や、高齢者・障がい者への福祉サービスに使う費用のこと。松戸市の予算は、半分以上が福祉と子育てに使われているというのが最大のポイントです。

歳出の内訳(令和8年度 一般会計)
区分 金額 割合
民生費(福祉・子育て) 1,012.9億円 52.1%
教育費 197.1億円 10.1%
総務費 164.9億円 8.5%
公債費(借金返済) 161.0億円 8.3%
土木費 156.1億円 8.0%
衛生費 154.9億円 8.0%
その他 98.2億円 5.0%

公債費は過去の借金の返済分です。道路や公園などの都市基盤整備に使う土木費(8.0%)より、借金返済(8.3%)の方が大きいという事実は、覚えておくと市政の議論が見えやすくなります。

今年度の目玉事業

暮らしを守る施策

  • 暮らし応援給付金:全市民に1人3,000円を支給(18億8,210万6千円)。支給開始は4月中旬予定
  • 学校給食費の支援:小学校は全額無償化。中学校は第1子・第2子が年間最大11,000円相当額の減額、第3子以降は全額無償化
  • 幼稚園・保育園等:3歳〜5歳児に第1子から年間最大12,000円を支援
  • 第3子以降の保育料を完全無償化
  • 市営水道料金を20%減免(令和8年7月〜10月検針分、千葉県と連携)

未来への投資

  • 新焼却施設の整備:令和8年度分は9,598万円だが、今後の債務負担行為を含めた総額は1,040億5,162万1千円。令和16年1月の稼働予定という巨大事業
  • 松戸駅周辺地区のまちづくり:13億2,150万5千円(西口デッキ改良、仮庁舎移転関係経費など)
  • 北小金駅周辺地区:10億9,720万円(南口東地区の再開発が建設工事に着手)
  • 新松戸駅東側地区:8億1,728万4千円
  • 八柱駅周辺地区の無電柱化:2億3,200万円

ここが一番大事:松戸市の財布は厳しい

明るい話ばかりではありません。市は自ら、構造的な課題を認めています。

市の資料によると、市の貯金にあたる財政調整基金は令和4年度の129.9億円から年々減り続け、令和9年度にはゼロになる可能性があると分析されていました。また、実質単年度収支の赤字も続いています。

令和7年8月に「財政運営の基本方針」を策定し、今回の予算編成で改革に取り組んだ結果、令和8年度の財政調整基金残高は14.2億円の見込みから40.5億円へと26.3億円改善、実質単年度収支の赤字も▲60.8億円から▲35.6億円へと25.2億円縮小する見込みとされています。

背景にある構造的な課題

市税は令和2年度から令和6年度で26億円・3.7%増(704億円→730億円)にとどまる一方、扶助費・人件費・物件費は同じ期間で264億円・25.1%増(1,051億円→1,315億円)と、収入の伸びを大きく上回っています。高齢化に伴う扶助費の増加が主な要因です。

財政改革の具体策

今回の予算編成では、いくつか目を引く取り組みがありました。

  • 市長による予算編成ヒアリングを14年ぶりに復活:市長自ら各課をヒアリングし、約60事業を確認。約12億7,100万円を確保
  • インセンティブ予算制度(市として初):各部が生み出した財政効果額の50%を上限に、その部署の新規施策に使える仕組み。49件・約8,100万円
  • サンセット方式(市として初):新規事業にあらかじめ実施期間を定め、終了時に効果検証して継続を判断。57件
  • 歳出事業の効率化:33件・約1億4,500万円
  • 大型事業の実施時期の最適化:約55億7,000万円分を再検討

また、市立総合医療センターについては、経営再建方針の策定時に一般会計からの繰出金が51億円に達する可能性がありましたが、救急搬送の応需強化や経営再建プロジェクトチームの設置などにより、当初予算では25億円に抑えられました(ただし、診療報酬改定の効果を見極めたうえで15億円程度の増額を検討するとされています)。

3分でわかるまとめ

  1. 予算総額は3,896億円で過去最大。一般会計は1,945億円で過去2番目
  2. 収入の4割は市税、3割は国・県からのお金
  3. 支出の半分以上(52.1%)は民生費。福祉と子育てが松戸市の予算の主役
  4. 借金返済(8.3%)は土木費(8.0%)より大きい
  5. 貯金は減少傾向にあり、財政改革が進行中

予算は、市がこれから1年間に何をするかの設計図です。ニュースで「市の予算」と聞いたとき、この5つのポイントを思い出せば、議論の中身がぐっと分かりやすくなるはずです。

出典:松戸市「令和8年度松戸市当初予算案」(定例記者会見資料・2026年2月13日)、松戸市「財政運営の基本方針」ほか。歳入の図では、繰入金・使用料及び手数料・その他を合算して表示しています。金額・制度は変更される場合があるため、最新情報は松戸市公式サイトでご確認ください。

▼令和8年8月千葉豪雨で被災された方への支援情報 更新日(2026年9月15日)
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/anzen_anshin/saigai/hisai.html

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