松戸市は、北朝鮮を名指しで非難すべきだ|拉致被害者を取り戻す覚悟を市が示す
2026年10月18日
松戸市は、北朝鮮を名指しで非難すべきだ
拉致被害者の家族が、次々と亡くなっています。
政府が認定した拉致被害者は17人。そのうち帰国できたのは5人だけで、12人はいまも北朝鮮から帰ってきていません。
被害者の帰りを待ち続けた親の世代で、いまも存命なのは横田めぐみさんの母・早紀江さんだけになりました。
早紀江さんは90歳です。
残された時間は、もうほとんどありません。
拉致は外交の問題で、国が取り組むものだと思われがちです。
しかし、私はそうは考えません。
拉致されたのは、私たちと同じように日本の街で暮らしていた普通の人たちです。松戸市のような地方自治体にも、できること、やるべきことがあります。

法律は、自治体にも役割を求めています
2006年にできた拉致問題に関する法律(拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律)は、国だけでなく、地方公共団体にも、国と連携して拉致問題についての国民世論の啓発に努めるよう定めています。
毎年12月10日から16日は「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」です。
この週間には、国と地方公共団体が、その趣旨にふさわしい事業を行うよう努めることも、同じ法律に書かれています。
拉致問題に向き合うことは、自治体にとって「やってもよいこと」ではなく、法律が求めている役割なのです。
松戸市議会の決議に、「非難」の言葉はありませんでした
松戸市議会は、これまでに北朝鮮に関する議案を2回可決しています。
1回目は2010年12月の「北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃に関する意見書」です。
北朝鮮が韓国の島を砲撃したことに対して、国に毅然とした対応を求めたものですが、拉致問題には触れていません。
2回目は2021年12月の「北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組みを推進する決議」です。
拉致問題を正面から扱った決議として、大きな意味があったと思います。
ただ、その中身は、アニメ「めぐみ」の上映や作文コンクールへの参加など、市民の理解を深める取り組みを求めるものでした。
北朝鮮に対して「強く非難する」といった言葉は、決議文の中にありません。
理解を深めることは大切です。しかし、それだけでは足りないと私は考えています。
名指しで非難し、取り戻す覚悟を示すべきです
拉致は、北朝鮮という国家が行った犯罪です。日本の主権を侵し、罪のない人の人生を奪いました。
北朝鮮は2002年に拉致を認めて謝罪しましたが、その後も被害者全員の帰国は実現していません。
だからこそ松戸市議会は、北朝鮮を名指しで非難する決議を行うべきです。
・北朝鮮による日本人拉致を、国家による重大な人権侵害として強く非難すること
・すべての拉致被害者の即時一括帰国を求めること
・政府に対し、被害者を取り戻すためにあらゆる手段を尽くすよう求めること
市議会の決議に、北朝鮮を動かす直接の力はないかもしれません。
しかし、50万人の市民を代表する議会が、はっきりと意思を示すことには意味があります。
全国の自治体が声を上げれば、それは国の背中を押し、国際社会に日本の意思を伝える力になります。
隣の柏市の職員は、ブルーリボンを着けています
ブルーリボンは、拉致被害者の救出を願う意思を示すシンボルです。拉致被害者と家族を結ぶ日本海の青と、空の青を表しています。
多くの自治体で、首長や職員がブルーリボンバッジを着ける取り組みが広がっています。
国の拉致問題対策本部がまとめた自治体の取り組みを見ると、次のような例があります。
・東京都は、都の幹部職員が啓発週間中にブルーリボンバッジを着用
・東京都江戸川区は、区の幹部職員がバッジを着用
・福島県は、知事と副知事がバッジを着け、県の幹部と職員も県が作ったブルーリボンを着用
・群馬県みどり市は、市長・副市長などの三役と部長級職員が着用
・埼玉県川口市は、職員の名札にブルーリボンのシールを貼付
・千葉県は、県庁内と県内の市町村にブルーリボンの着用を依頼
そして、隣の柏市でも、担当部署の職員が着用し、庁内に協力を呼びかけていました。
同じ資料に載っている松戸市の取り組みは、市役所の連絡通路でのDVDの放映と、人権週間の展示です。職員のブルーリボン着用は載っていませんでした。
条例で取り組みを定める自治体も増えています
さらに一歩進んで、拉致問題の啓発を条例で定める自治体も増えています。
2021年の東京都足立区と江戸川区を皮切りに、新潟市、埼玉県川口市、和歌山県すさみ町、埼玉県、新潟県、秋田県、鳥取県が、拉致問題に関する条例をつくっています。
埼玉県の条例は、県が拉致問題を風化させないための施策を行うこと、学校での教育や教員の研修に取り組むこと、県の職員や警察職員の研修を行うことなどを定めています。
「政治的な中立」との関係について
職員がブルーリボンを着けることに対しては、「公務員は政治的に中立であるべきだ」という意見もあります。
しかし、拉致問題の解決は、政府が「最重要課題」と位置づけ、与野党を超えて取り組んでいる国の方針です。
ブルーリボンの着用は、政府や多くの自治体が呼びかけているものでもあります。特定の政党を応援するものではありません。
もちろん、職員一人ひとりに着用を強制すべきではありません。
まずは市長や幹部職員が率先して着け、希望する職員にバッジを配る。東京都や他の自治体と同じように、そこから始めればよいと考えます。
松戸市がすべきこと
1 市議会が、北朝鮮を名指しで非難する決議を
北朝鮮による拉致を強く非難し、すべての被害者の即時一括帰国を求める決議を行います。「理解を深める」から一歩進み、「取り戻す」という覚悟を議会として示します。
2 市長と幹部職員が、ブルーリボンバッジを
少なくとも啓発週間の間は、市長と幹部職員が率先してブルーリボンバッジを着けます。希望する職員にも配り、職員の名札にブルーリボンを表示することも検討します。
3 啓発週間の取り組みを広げる
市役所での展示や上映にとどまらず、駅前での啓発や、学校でのアニメ「めぐみ」の活用を進めます。
4 条例で、取り組みを続ける仕組みを
市長や議員が代わっても取り組みが途切れないよう、他の自治体にならって、拉致問題の啓発を進める条例の制定を目指します。
時間は、もう残されていません
拉致被害者の家族は、何十年も「必ず取り戻す」という言葉を信じて待ち続けてきました。その多くが、わが子と再会できないまま亡くなっています。
国の問題だから、と見て見ぬふりをすることはできません。松戸市から、はっきりと声を上げる。それが、市民を代表する議会と市役所の責任だと私は考えています。
すべての拉致被害者が、一日も早く日本に帰ってこられる日まで。私もブルーリボンを胸に、声を上げ続けます。
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