【憲法の正論】「みんなで憲法を守ろう」という言葉の、”違和感”について。
2025年12月28日
行政書士の照井遼です。
街頭で共産党や左翼勢力が活動している光景を目にすることがありますが、よく「みんなで憲法を守ろう」というスローガンを掲げていることがあります。
しかし、大学の講義と行政書士試験に向けて「憲法」のほんのさわりを学んできましたが、上記の主張にはかなりの違和感を覚えます。
今日はその違和感について書いてみようと思います。
■ 憲法を守る義務があるのは「国民」ではない
日本国憲法第99条には、「この憲法を尊重し擁護する義務」について書かれています。 では、誰がその義務を負うのか?
条文にはこうあります。 「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」。
ここに、「国民」の文字はありません。 実は、国民には憲法擁護義務は課されていないのです。
これは書き忘れではありません。明確な理由があります。
■ 憲法は「権力を縛る鎖」である
近代における「憲法」の役割は、「立憲主義」に基づいています。
これは、「強大なパワーを持つ国家権力が暴走しないように、国民が憲法という鎖(ルール)で縛る」という考え方です。
つまり、憲法とは「国民が権力者に突きつける命令書」なのです。
権力者(公務員など): 鎖で縛られる側だから、「守る義務」がある。
国民: 鎖を握っている側だから、「守らせる立場」にある。
■ 情緒ではなく、論理を語っていただきたい
そう考えると、鎖を握っている主人(国民)に向かって、「お前たちも鎖を守れ」と言うのは、論理があべこべであることがわかります。
それは本来、権力側にとって都合の良い理屈になりかねません。
「憲法を守ろう」という情緒的な言葉に流されるのではなく、「権力側がきちんと憲法(ルール)を守っているか、国民が監視しよう」 これこそが、法的に正しい憲法との向き合い方です。
行政書士として、そして政治を志す者として、私は雰囲気ではなく「条文と論理」に基づいた、地に足のついた議論を大切にしていきたいと考えます。